水虫は日本人の5人に1人はかかっていると言われており、この国では珍しい病気ではない。この章では、足の臭いと密接な関係性がある水虫について言及する。
水虫とは、白癬菌というカビの一種が皮膚に住み着き、激しい痒みを伴ったり、皮膚がただれたり、剥がれたり、小さな水疱(水ぶくれ)ができる症状のことを指す。白癬菌は高温多湿な状態を好む性質があるため、靴下や靴でムレやすい足は、白癬菌が増殖しやすい。この菌は、住み着く場所によって名前が異なり、足の場合は水虫、頭はしらくも、体はたむし、股ではインキンなどと呼ばれている。それでは、水虫の症状とは、どのようなものか。
指の間にできる、最も患者数が多い典型的な水虫。
【症状】
・強い痒みを伴う。
・最初は赤く、だんだん白くふやけて、皮がはがれてジュクジュクする。
・隙間が少ない薬指と小指の間に発症しやすい。
・他の雑菌が混じり、悪臭が発生する場合もある。
・湿気の多い夏や梅雨時などに症状が出て、冬場は治まることが多い。
足の裏に2~3ミリの水疱ができて、強い痒みを伴う水虫。
【症状】
・土踏まずや足の側面に発症することが多い。
・2~3ミリの赤みを帯びた小さな水疱ができる。
・激しい痒みを伴うことが多い。
・湿気の多い夏や梅雨時に発症しやすい。
・二次的な細菌感染のため、小水疱の液体が膿になることがある。
・慢性化すると部分的に皮膚が厚く硬くなることがある。
かゆみなどの自覚症状がなく、足の裏やかかとの角質が厚くなり、
ザラザラになって裂けてしまう水虫。
【症状】
・かかとを中心に足の裏の角質が厚く、ザラザラとした質感になり、硬くなる。
・自覚症状がない場合が多い。
・皮膚が剥け落ちるため、他の人に感染しやすい。
・痒みや痛みはないことが多い。
・爪水虫(爪白癬)と合併して発症することが多い。
・高齢者に多い。
・季節による症状の変化はあまりないが、乾燥する冬に悪化する場合がある。
白癬菌(はくせんきん)が爪に感染、寄生した水虫。
日本では10人に1人が爪水虫(爪白癬)にかかっているともいわれており、高齢者ほど発症率が高い。
【症状】
・爪が白く濁る。(黄褐色、茶褐色になることもある)
・爪が分厚く変形したり、ぼろぼろ欠け落ちたり、爪の幅が狭くなる。
・かゆみなどの自覚症状はほとんどない。
・症状が進行すると、靴を履く時に痛みを感じる場合がある。